田舎の少年の心を鷲掴みにした言葉
長年この仕事をやっていますが、コピーについて語るのは初めてで照れますね。でも、いろんなコピー、つまり広告を思い出す作業は、頭の中で30年を一気に旅する感覚で心地よかった。僕は高校まで鹿児島で暮らしてまして。毎日サッカーして、テレビ見ながら晩御飯を食べる平凡な日々でしたが、そんな田舎の少年の心を鷲掴みにしたCMが、ランボーです。
サントリー/1997年
◯ CD/小田桐昭
◯ C/杉山恒太郎、広瀬正明
フォルクスワーゲン/1959年
◯ C/Julian Koenig
個展/1991年
◯ C/イチハラヒロコ
ずっと、コピーライターを名乗ることに抵抗があった。名刺を渡す時はいつも「コピーライターの杉山です」とは言わず、「クリエイティブの杉山です」と伝えていた。自分はコピーを書くだけにとどまらず、ビッグアイデアを実現する人になりたいんだ。コピーライターという肩書きは、その足枷になるのでは。無知な先入観から、どこか窮屈さを感じていた。
恩師の小田桐昭さんは、そんな未熟な小僧ライターだった僕に、あらゆる角度から気づきをくださった。コピーはただの言葉じゃない ...