日本で唯一の、アートディレクションを教える学校、宣伝会議アートディレクター養成講座(ARTS)は昨年、第16期を迎えた。半年以上にわたる授業を経て、今年3月には卒業制作の講評が行われた。卒業制作の課題は、「自分の出身地(都道府県/市町村)が抱えている課題をあなたのアートディレクションで解決してください」。受講生は、宮田識さん(DRAFT)、副田高行さん(副田デザイン制作所)、水野学さん(good design company)の指導のもと、各々の地元を取材し、課題を見つけ、それを解決する作品を制作した。ここではその中から優秀作に選ばれた作品を紹介する。
宮田クラス 銀賞
片山翔平(資生堂)
企画意図
私の出身地は軽犯罪発生率が、全国ワースト1位という町です。皮肉にも私の町には「全興寺」という地獄の教えを取り上げている寺があります。リサーチを進めると、地獄には悪い行いに合わせたたくさんの刑罰があることがわかりました。今回はそれをグラフィックデザインとして、ちょっとポップに、でも悪いことをすると長く辛い死後の世界があるということ表現し、治安改善の企画としました。
ARTSを受けて
周りの受講生の方々は、クリエイティブの第一線の方々ばかりで、課題演習では講師の方々から厳しくご指導をいただき、なんで上手くいかないんだろうと、目を腫らして帰る日もありました。今回、いろんな社外の講師、受講生の方々と交流でき、クリエイティブの潮流であったり、皆さんの考え方に大いに刺激を受け …