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電通デザイントーク 中継シリーズ

イノベーションが加速する時代 コンテンツのつくり方はどう変わる?

ニュースアプリ「SmartNews」の成功で注目を集める鈴木健さんは、インターネット時代の新しい社会システムを提唱した書籍『なめらかな社会とその敵』の著者としても知られる。鈴木さんとtakramの田川欣哉さん、コルクの佐渡島庸平さんは、異なる分野で活躍する同世代として、プログラミングとアート、コンテンツと新しい流通、ビジネス開発など、大きなテーマでの関心を共有してきたという。この日は「コンテンツ」をテーマに3人のトークショーが行われた。

「SmartNews」を生んだ研究者・鈴木健の思想

佐渡島 急成長する「SmartNews」がどんな思想でつくられたのか、まず鈴木さんからお話しいただきます。

鈴木 僕には大きく2つの活動があります。ひとつはアカデミックな場での研究活動、もうひとつは事業をつくる活動です。この2つが二重らせんのように僕の活動を推進させています。2013年1月に出版した著書『なめらかな社会とその敵』は、学術書ながら幸い一般の方にも読んでいただき、1万2000部という異例の部数になりました。300年後の社会システムをインターネットを使ってデザインすることをテーマにした本です。“価値が伝播する”新しい貨幣システムなど、13年分の研究と思考の履歴を集積しています。

一方で、大学院を休学してはベンチャーを起業することを繰り返し、SmartNewsは3年前(2012年)に立ち上げました。天才エンジニアの浜本階生と2人で始め、今は国内で50人弱、アメリカで9人のメンバーがいます。僕らのミッションは、良質な情報を世界中に送り出すこと。世の中には良質のコンテンツをつくっているメディアがたくさんあるのに、それが読まれていない。そこに問題意識がありました。

SmartNewsに編集部はありません。すべての記事はアルゴリズムで選ばれます。このアルゴリズムのベースは集合知です。一般的にアルゴリズムで記事を選ぶとパーソナライズ化の方向に行きますが、Smart-Newsは「あなたが興味のあるニュース」ではなく、「あなたにとって発見のあるニュース」を届けます。「興味がないかもしれないけれど、発見があるかもしれないから届けます」というアプローチです。根本にあるのは、多様なコンテンツ、多様な価値観をユーザーに届ける思想です。自分と違う視点や考え方があることを許容できる社会を目指したいと思っています。

不明瞭な仕事をする人が次の時代をつくる

佐渡島 今日は「コンテンツ」がお題ですが、田川さんの会社takramではどんなものをつくっているか教えてもらえますか?

田川 takramでは「デザイン」と「エンジニア」という職種の中間にある「デザインエンジニア」という職種を提唱しています。一般にデザイナーとエンジニアではスキルセットもキャリアパスも交わらないのですが、その両方を行ったり来たりする人材を育成しながら、新しいビジネス、サービス、製品を、企業や研究者、ベンチャーと連動しながら生み出しています。

佐渡島 takramのような会社は他にあまり例がないですよね。

田川 僕らの大先輩に当たる会社に「IDEO」がありますが、IDEOはさまざまな分野のスペシャリストをチームに組み込む考え方です。僕らの特徴は、個人の中に複数の分野を取り込んでしまった人たちが ...

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