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オランダ お隣さんの生演奏を知らせる赤いランプ

「Kapitaal」

01 ランプが点灯しているときの建物外観

お隣さんの生演奏を知らせる赤いランプ

アイブルグはアムステルダムの北東にある人工の島で、新興住宅地として今も開発が進んでいる地域だ。オランダらしい現代的な建築の集合住宅が建ち並び、若い家族層が多く住んでいる。そんな街並みにひときわ異彩を放っている建物がある。壁面には巨大な赤いランプ。横には「RecordingNow」の文字。広い公園に面しているため遠くからでもよく目立つ。

実はこれ、アムステルダム音楽学校(コンセルバトリウム)の生徒用宿舎で、世界各国からの留学生69人が生活している。ここが彼らにとってオランダでの“ホーム”になるようにというコンセプトで設立された。数年で去っていってしまう学生たちと周りの住人たちの交流のきっかけになればと、不動産会社アイメレが広告会社ハベクラッツと始めたのが「Home Recording」というプロジェクトだ。

建物内に学生たちがいつでも自由に使うことができるレコーディングブースを設置、そこで収録した音源をストリーミングし、Webサイト(http://www.homerecording.nu)からリアルタイムで聴けるようにした。レコーディング中は壁面のランプが点灯するので、運良くそれに気づいた近隣の住人はインターネットを介した「生演奏」を楽しめるしくみだ。

もちろん、留学生が遠く離れた祖国にいる家族や友だちに自分の演奏を届けることもできる。学生のモチベーションが上がるのはもちろん、引っ越してきたばかりの住人が多いこの街では、ご近所さんとの共通の話題にもなるだろう。

今年6月に歌手のヤネ・スコラによる記念すべき第1回目のレコーディング(兼ストリーミング)が行われ、それに合わせて建物に面した公園ではバーベキューが催された。集まった近隣の人たちは「やっと赤いランプの謎が解けた!」と喜んでいたという。9月になり新学期がスタートしたいま、ますます利用者が増えそうだ。

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