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ウェブメディアで話題!キーパーソンに会いに行く

「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんに聞いた、「『はてブ」を狙うならば議論が生まれやすい構造にしよう!」

砂流恵介

広報との関わりも深い、ウェブメディアのキーパーソンたち。今回は「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんが登場します。(取材・文/砂流恵介)

3人目のキーパーソン

“「はてブ」を参考に!”

バーグハンバーグバーグ「ジモコロ」編集長 徳谷柿次郎さん

おもしろ系メディアの代表格「オモコロ」などで常にネットを騒がせているウェブ制作会社・バーグハンバーグバーグの元広報である徳谷柿次郎さん。今は、メディア事業部長に加えて、企業のオウンドメディアの編集長も務めている。 パブリシティ活動の目線からもネット記事と向き合っているキーパーソンに、オウンドメディアに取り組む姿勢や、多数の「はてなブックマーク」がつく記事を量産している秘訣を聞きました。

東京に落ちていない一次情報を

─柿次郎さんの今の仕事内容を教えていただけますか。

2015年5月から始まった、企業のオウンドメディア「ジモコロ」(運営:バーグハンバーグバーグ)の編集長が主な仕事内容です。地方の情報を扱うローカルメディアで、月に12本〜14本の記事を配信しています。月に2回は必ず地方の特集記事を扱うようにしていて、ほかは敷居が低くて暇つぶしにちょうどいいような笑える系のコンテンツを多く扱っています。「笑える系」といっても、僕らが自前で運営している「オモコロ」のようなシュールなおもしろさではなく、「好奇心がかき立てられるおもしろさ」を軸にしています。

先日、静岡で車を走らせていたら「たけのこ」「固いもも」「クワガタ」みたいな看板が道路上にあったんです。気になって取材帰りに寄ってみたら、タンクトップ姿で180センチメートル以上のおじさんがいて。「何なんですか、ここ」って聞いたら、「クワガタで何千万というお金を稼いだ」とか、「本業はたけのこ農家の3代目だ」といった話をノンストップで1時間。めちゃくちゃ話がおもしろいんで、許可をいただいて「【伝説】クワガタとタケノコで大稼ぎ! 謎の農家『風岡直宏』はなぜフェラーリを買えたのか?」という記事で8月にジモコロで公開しました。

結果として、この記事はジモコロのなかで一番話題になりましたね。こういった東京には絶対落ちてないような地方の一次情報、おもしろい人とか仕事を記事にできれば、ほかのメディアには出せないカラーになると思っています。

議論が生まれやすい構造に

─テレビ番組に近い取材の仕方ですね。

『探偵!ナイトスクープ』とか、『ザ!鉄腕!DASH!!』のDASH村みたいな長く愛される番組が理想ですね。ジモコロは、「時代の流行とは全然関係のない普遍的なおもしろさ」をつくれるんじゃないかなと思っていて。

─徳谷さんの記事は「はてなブックマーク(はてブ)」が付きやすい印象があります。

はてブがたくさん付いてほしいときは「議論を起こす」「意見を言ってもらう」ような内容にしていますね。最近、カメントツくんという漫画家が、「工場でロボット導入によって人間の仕事が奪われる」という体験談をベースに漫画の記事を描いたんです。*1ラフのままでも良かったんですけど、はてブでの反応を得るために、「将来ロボットがあなたの仕事を奪うかもしれませんね」と、読み手が自分ごとになるような要素を強くしたんです。

こういう議論が生まれやすい構造にすると「はてブ」が伸びる。広報・PRの人は、はてなブックマークを毎日見た方が絶対良いですよ。見出しを見て気になった記事を読むだけでも、「これがインターネットで“おもしろい”と評価される記事なんだ」っていう実感の積み重ねになりますしね。

*1 僕が実際に体験した「ロボットに仕事を奪われた男」の話(10月公開)

著者とともに。徳谷さんから「地方の一次情報が気になる」というお言葉をいただきました。

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