なぜ、あの企業は社会の批判を浴びたのか――。大手、BtoB、外資系など2015年に発生した様々な不祥事について、広報、危機管理など9人の専門家に解説してもらった。

9月20日
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンが不正なソフトを導入し、大気浄化規制に関する試験をクリアしていたと発表。クリーンなイメージが強かっただけに、業界や消費者に大きな衝撃を与えた。
※分析にご協力いただいた専門家:ACEコンサルティング・白井邦芳氏、郷原信郎弁護士、フライシュマン・ヒラード・ジャパン代表・田中愼一氏、アズソリューションズ代表・佐々木政幸氏、弁護士ドットコムニュース編集長・亀松太郎氏、エイレックス代表取締役社長・江良俊郎氏、ジャーナリスト・城島明彦氏、日本アンガーマネジメント協会代表理事・安藤俊介氏、弁護士・浅見隆行氏
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弁護士 浅見氏はこう見る
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2015年9月18日にアメリカ環境保護局が排ガス試験での不正を発表したにもかかわらず、当時の社長が謝罪の意思を発表したのは9月20日と2日を要し、またCEOによるメッセージは公式ウェブサイトの謝罪文や動画を通じて発信されたこともあり、「逃げ」の印象を与え、信頼回復に向けて致命的だった。また、9月23日の辞任にあたりその理由を「私自身が過ちを犯したのではないが、会社の利益のために(辞任を)決断した」と説明したことは、潔さを与えない。
一方で …
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