アイデアとは新しい組み合わせである
『アイデアのつくり方』(CCCメディアハウス)を初めて手にしたのは、美大受験の予備校に通っていたとき。同じ予備校で尊敬していた友人に。この本いいよ」と薦められたのがきっかけです。その友だちはアートやデザインに詳しいだけではなく、流行の半歩先を颯爽と走っているような人。感度が高く知的で、今から30年以上前に「デザインは表層的なものではなく、経済も動かす」といった話をしていたほどです。そんな友人がすすめるなら間違いないだろうと、買ってみました。
デザインの見方
大学院生の頃、D|BROSでデザインのアルバイトをしていました。そこで、僕が初めて仕事としてお手伝いさせてもらったのが、お皿に描かれた模様が鏡面のカップに映る「カップ&ソーサー」というプロダクトのデザインでした。
早速取りかかったのは皿に描かれる模様の検証です。色や形、並びなどを一生懸命パターン出ししたのを覚えています。鏡面に何度もかざしながら検証していたのでどんな商品になるかはイメージできていたのですが、あがってきたプロダクトはもう、すごく綺麗だし、おもしろい。動かすとカップの模様が変わり、ものとして定着していくことのすごさに感激しながら長いこと眺めていました。その時、おもむろに裏面を見ると ...