「がんばる母さんやめました」自分らしさを探る「卒母」の考え方
『卒母のためにやってみた50のこと』(大和書房)という本に出会い、ページを繰り出したら止まらない。手書きの文字とイラストで構成されているたたずまいもユニーク――著者でありグラフィックデザイナーの田中千絵さんに話を聞いた。
デザインプロジェクトの現在
WOWから「シセイドウ・ザ・ギンザ」のディスプレイを手がけたという連絡が届いた。映像を得意とするWOWが、映像ではない表現をするということに関心がわき、早速、取材に出かけた。
WOWに出会ったのは、2011年のミラノサローネだった。キヤノンが発表した「NEOREAL WONDER」を手がけたのだ。トラフ建築設計事務所が考案した放射状のスクリーンに映し出す実験的な試みで、四季に象徴される時の移ろいをベースにしながら、TOKYOの風景を織り交ぜた立体的な映像は、世界のジャーナリストの間で脚光を浴びた。「二次元で作る映像と三次元を意識して作る映像には明らかな違いがあり、トラフと一緒に仕事することで力を高め合うことができた」というコメントが印象に残った。以来、さまざまなところでWOWの活躍を耳にしてはいたものの、じっくり話を聴く機会がない。今年に入ってから行った、「aikuchi」という日本刀の発表・展示イベントが話題を集め、映像だけでなくプロダクトを手がけるのはなぜ?という疑問もわいた。もろもろの話を聞きたいと思い、渋谷にあるオフィスをたずねた。
公園通りの裏手に広がる静かな界隈の一画にWOWのオフィスはある。ビルの1階がミーティングスペースということで、倉庫かと見紛う重い扉を開けると、広々とした空間が拓ける。ゴージャスなテーブルと椅子、奥には巨大なモニターとソファが配されている。さまざまな事務所を訪れてきたが、オフィスに流れる空気は、クリエイターの感覚を如実に映し出すものだ。WOWには、大胆で少し男っぽい感覚と、エネルギッシュな華やかさが同居している。最初にうかがったのは、「資生堂アルティミューン 光のインスタレーションアート」だった。資生堂が9月1日に発売した最先端美容液「アルティミューン」を題材に ...