茨城県日立市にある相鐵は、今年3月に創業50周年を迎えた。これを機に、同社では100周年を見据え、「相鐵50周年プロジェクト」をスタートした。
キーワードは「スポーツ」
相鐵は社員50名に満たない、鋼材の切断・加工業。今年7月に「相鐵50周年宣言」と銘打ち、取引先などを招待して記念式典を開催した。そこで三村泰洋社長が宣言したのは「相鐵の仕事を、スポーツに。」というキャッチフレーズのもと行う3つの改革である。具体的には、社員のパフォーマンスを最大化させるべく業務フローを見直し、社員の仕事を数値化。ひとり一人の動きが把握できるシステムを構築した(社員のアスリート化)。また各工場の名称を「スタジアム」に変更し、社員が使うロッカールームを欧州サッカーチームのロッカールームをモデルに新設した(工場のスタジアム化)。そしてこの二つを実現することによって、自社のネットワークを広げ、ひいては鋼材加工業の業界改革を行っていく(“TEAM SOUTETSU”のネットワーク化)という内容であった。
「スポーツというキーワードは、三村社長のアイデアです」と話すのは、プロジェクトのCD、プロデューサーを務めた博報堂ケトル 石原篤さん。実はこのプロジェクト、ユニークな座組みで進められている。三村社長が実家である同社を継ぐ前に在籍していた博報堂の後輩である石原さん、そして大学の後輩である電通 コピーライター 小山佳奈さん、小山さんの中学高校の同級生である写真家 高橋マナミさんを中心にプロジェクトチームが組まれた。
きっかけは、さかのぼること4年前 ...