2月上旬に行われた中高生部門の最終審査会には、特別審査員の木下龍也さんが参加し、グランプリ各賞が決定した。審査員長の阿部広太郎さんとは、コピーライター養成講座の同期生でもある木下さん。短歌とコピーの違いや共通点を紐解きながら、言葉との向き合い方について話を聞いた。

(左)電通 コピーライター 阿部広太郎氏
「中高生部門は、中高生の「表現したい」という気持ちに応えられる場だと改めて感じました。」
(右)歌人 木下龍也氏
「ひとりでいる時に図書館の隅で衝撃を受ける…みたいな言葉との出会い方も必要なのかもしれないですね。」
コピーと短歌の違いは「自己」をいかに表現するか
―今年の審査を終えての感想をお聞かせください。
木下:僕は選者としてご投稿いただいた短歌を選ぶ仕事もしているのですが、審査会の序盤では短歌の基準や感覚でコピーを見ていたんです。「発見」はコピーにおいても短歌においても武器になると思うのですが、短歌の場合はそこに自分なりの詩情を加えて、読者の心を動かそうとするわけです。だから、グランプリ作品のシャープな表現、発見そのものをストレートに差し出すかたちにやや物足りなさのようなものを感じて、…
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