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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

ロイヤルユーザーの支持を得て40年「運転中の眠気スッキリ」として唯一無二の価値を提供

ロッテ ブラックブラックガム

(左)1983(右)2023

ロッテの「ブラックブラックガム」は1983年の誕生から今年で40周年を迎えた。ちょっとしたお口直しやリフレッシュに、コンパクトで持ち歩きやすくいつでもどこでも手軽に食べられるガム。「ブラックブラックガム」が発売される以前のガム市場は風船ガム、チューインガムなど子ども向けのお菓子とお口のエチケットとしてのミントガムが主流だった。同社もガム商品を販売していたが、80年代に入ると市場が鈍化。その要因として健康志向の高まりで、食品市場ではビスケットタイプの栄養補助食品が発売されるなど、生活者の意識に変化が起こり、ガム商品は売上減に直面していた。

ガムの社会的イメージを向上させようと生活者の声を分析したところ、ユーザーインサイトとして「車の中でリフレッシュしたい」「息が気になる」などが上がった。そういった生活者の声をもとに「眠気スッキリ!」の「ブラックブラックガム」が開発された。

ブラックコーヒーにちなんでガムの色も黒。強力メントールとカフェインに加え、イチョウ葉抽出物、ガラナ抽出物、菊花抽出物など様々な成分を配合。噛んだ瞬間に鼻に抜ける清涼感と刺激で一気にスッキリという体験が高い評価を得た。

発売当初から一貫して「運転中の眠気スッキリ」を訴求してきた「ブラックブラックガム」は、運転時の必需品としてドライバーを中心に商品認知が定着。現在に至るまで変わらぬニーズでロイヤルユーザーからの高い人気を誇る。一方で若年層へのリーチが課題で、運転だけではないシーンでのブラックブラックガムの喫食機会を増やそうと、受験生やデスクワーカーをターゲットにした店頭プロモーションも実施。周年施策では若者に訴求力のあるフレーバーをラインアップし、ロイヤルユーザーを大切にしつつ、新たな顧客層開拓にも力を入れていく。

視点01 商品・ラインアップ
「眠気スッキリ!」として圧倒的な支持を獲得

定番商品のラインアップ。王道の板形状のガム「ブラックブラックガム」とワンプッシュのボトルタイプの「ブラックブラック粒ワンプッシュボトル」。

定番ガムが7枚入60円という価格帯であった中での、9枚入100円という高価格設定で発売した「ブラックブラックガム」。原料のミントに北米産ミントを使用したり、香りと噛み心地にもこだわったため、大きな冒険だったというが、発売するとドライバーを中心に圧倒的な支持を得た。

ガムの形状といえば、板タイプと粒タイプの2種類が市場の主流。粒タイプの「ブラックブラック粒ワンプッシュボトル」は板タイプの発売から20年後の2003年に登場した。運転中のニーズ増を受けて、パッケージは車のドリンクホルダーにぴったり入るボトルサイズで車内常備化を推進。フタはワンプッシュで開き、運転中に片手でも手に取りやすく工夫した。この粒タイプの...

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