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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

特別な時間のお供として愛飲され20年「新プレミアム創造」を掲げ、さらなるブランドの魅力を発信

サントリー ザ・プレミアム・モルツ

(左)2003(右)2023

サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」が今年で発売から20周年を迎えた。2003年の発売当時はデフレ真っ只中で、厳しい経済状況に置かれながらも、「普段は財布の紐は締めつつ、特別な時の出費は厭わない」という二極化した消費者マインドが存在していた。そこに着目し、日常の中の特別な時間を豊かにするプレミアムなビールを目指そうと発売された「ザ・プレミアム・モルツ」は、素材や製法にこだわった一品。1989年に「モルツ スーパープレミアム」という商品名で東京・多摩地区で限定販売していた商品だったが、取り扱い店舗では味わい、品質の良さで評判となっていた。

当時、すでに複数社の大型ビールブランドが市場を牽引しており、サントリーは最後発だった。そこで、「ザ・プレミアム・モルツ」が持つ、「深いコク」「クリーミーな泡」の他、「華やかな香り」の特徴を訴求し、他社製品との差別化を図ってきた。特に“香り”を打ち出したビールブランドは当時珍しく、味わいだけではない新たな価値を広めようと、「最高金賞のビールで最高の週末を」というキャッチコピーとともに「ザ・プレミアム・モルツ」を飲むシーンもセットでブランド訴求を図った。

現在の成功に至るブランドの転機となったのは、2005年にモンドセレクション・ビール部門の最高金賞を受賞したこと。これにより売上が大きく伸長した。

その後、「ザ・プレミアム・モルツ」は、2012年、2017年、そして2023年まで3回の大幅リニューアルを実施している。「豊かなビール時間を提供する」という発売当初からのコンセプトをぶらさず、味やパッケージの改良によって、生活者のライフスタイルや食生活における価値観の変化に柔軟に対応してきた。2023年には「プレミアム」のイメージを再定義し、新たなブランドの魅力を発信していく。

視点01 商品・ラインアップ
「プレミアム」の名に恥じない品質を追求

グラスシェイプデザインでプレミアム感を表現した「ザ・プレミアム・モルツ」。「ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉香るエール」は口当たりのかろやかさや爽やかな香りで女性や若年層にも人気を広げている。※画像はいずれも2023年のもの。

「ザ・プレミアム・モルツ」(以下プレモル)は、「ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉香るエール」「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」の...

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