生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と生活者の接点のつくりかたをも変えるような大きなインパクトが予測されます。ではマーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に生かしていけばよいのでしょうか。富士通の山根宏彰氏が解説します。
一度UVPに収斂させた上で、
ハーベストループを介してKPIを設定する
12月号掲載の第4回では、ChatGPTを用いたKPI設定に関し、前半としてユニークバリュープロポジション(UVP)という概念を取り入れることを提案した。後半となる今回は、このUVPからKPIの設定に関して、ChatGPTを用いて導き出したい。
前回のプロンプトで得た「教育業界」のUVPは次の通りであった。
教育業界
-UVP:生徒の理解度に合わせてリアルタイムで教材が調整されるプラットフォーム
-KPI:学習成果、継続使用率
-エンド・バリュー:100%の理解を目指す個別学習
-アプローチ:AIを活用したリアルタイム学習分析
ハーベストループは多いほど他社に対する優位性は増すため、ループを3つ以上つくれるかを聞いてみた。
教育業界のUVP「生徒の理解度に合わせてリアルタイムで教材が調整されるプラットフォーム」という設定を基に、ハーベストループを考えます。
1.生徒の学習データ収集ループ
-Action(行動):生徒がプラットフォーム上で学習を進める。
-Data Harvest(データ収穫):生徒の学習の進捗、正答率、学習時間、焦点の持続時間などの学習データを収集。
-Value Creation(価値創出):収集されたデータをもとに、教材や問題の難易度をリアルタイムで調整する。
2.教材の最適化ループ
-Action(行動):教師や教育関係者がプラットフォーム上で教材を更新・追加する。
-Data Harvest(データ収穫):新たに追加・更新された教材の使用状況や生徒からのフィードバックを収集。
-Value Creation(価値創出):収集されたデータを元に、教材の内容や構成を最適化する。
3.コミュニティ参加ループ
-Action(行動):生徒や教師がプラットフォーム内のコミュニティに参加し、質問やディスカッションを行う。
-Data Harvest(データ収穫):コミュニティ内の活動データや話題のトレンド、生徒・教師の関心を収集。
-Value Creation(価値創出):コミュニティの活動や関心を元に、新しい教材の提案や特定のトピックへのフォーカスを強化する。
これらのハーベストループは、教育業界のUVPを実現するための持続的な改善や最適化をサポートします。生徒の学習効果の向上、教材の質の向上、そしてコミュニティの活性化を通じて、教育業界のサービスの価値を高めることが期待されます。
さらに、これらのハーベストループに対して、具体例なKPI設定をしてみる。