生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と生活者の接点のつくりかたをも変えるような大きなインパクトが予測されます。ではマーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に生かしていけばよいのでしょうか。富士通の山根宏彰氏が解説します。
ジョブ理論×ChatGPTでオクトーバーフェストを考える
ジョブ理論は、消費者が製品やサービスを「雇う」理由を理解し、その「ジョブ」を満たすことで価値を提供するという考え方だ。今回、このジョブ理論とChatGPTを組み合わせ、具体的な企画例としてオクトーバーフェストについて考えてみる。
まず、来場者のジョブを理解するために、ChatGPTにジョブ理論を知っているか聞き、また、来場者の立場に立って、ジョブ理論で考えてもらったあと、以下のような質問をした(筆者のホームページにChatGPTとのやり取りの詳細を載せるので参照されたい)。
では、具体的にオクトーバーフェストを考えてみて、
1. ジョブ理論に基づき、どのような企画をすればいいのか、また
2. その効果測定をするためのデータ取得方法、
3. そのデータ分析方法、について詳細に教えてください。
実際のChatGPTの返答はこうだ。
(前略)
1. ジョブ理論に基づく企画
オクトーバーフェストの主なジョブは「楽しむ」「新しい経験をする」「友人や家族と時間を過ごす」「ビールや食べ物を味わう」「文化を学ぶ」などといえるでしょう。これらのジョブに対応する企画は以下のようになります:
──ビールテント:地元の醸造所や世界各国のビールを取り扱うテントを設け、多種多様なビールを提供する。
──音楽:伝統的なバンドやエンターテイナーを招待し、観客が楽しめる環境を作る。
──フード:ドイツの伝統的な食べ物や、その他の飲食物を提供するブースを設ける。
(中略)
2. 効果測定のためのデータ取得方法
QRコードやモバイルアプリを使用して、以下のようなデータを収集します:
──チケット販売データ:購入者の数、購入時間、購入したチケットの種類(一般、VIPなど)。
──ビールと食べ物の購入データ:どのテントやブースが一番人気であるか、どの商品が一番売れているかなど。
(中略)
3. データ分析方法
収集したデータを以下のように分析します:
──売上分析:ビールや食べ物の販売データから、どの商品が売れ筋で、どの時間帯に最も売れているかを分析します。これにより、在庫管理や次回のメニュー作りに役立つ情報を得ることができます。
──参加者の動向分析:活動参加データやチケット販売データを元に、参加者の動向や興味の傾向を分析します。これにより、人気の活動を把握したり、次回のイベントでどのような活動を増やすべきかのヒントを得ることができます。
──満足度分析:アンケートデータから、参加者の満足度を測定し、改善すべき点を...