全米小売業界が年末商戦を予測「前年比3~4%増で最大145兆円」
11月の第4木曜日の感謝祭が終われば、アメリカは本格的な年末商戦へ突入する。National Retail Federation(全米小売業協会)は、2023年米年末商戦の総支出額を前年対比3~4%増の9573億ドルから9666億ドル(143.6兆円~145兆円)と予測している。慣習では「ブラックフライデー・セール」は感謝祭の翌日から始まるものだが、ここ数年、11月初旬から前倒しで年末セールを始める企業が増えている。
米国広告マーケティング事情
一般的にアメリカではZ世代の特徴として「お金に熱心で意欲的」「人種男女差別・地球温暖化などの社会問題に敏感」「心配性」「境界線を設定する」「SNSの熟練ユーザー」などが挙げられている。現在13歳から28歳であるZ世代は、今後米経済の中枢を担っていくことが予想されていることから、多くの企業がZ世代を取り込もうと戦略を練っている。
市場リサーチ会社ハリス・ポール社とアドエイジ誌が共同で調査する「Z世代が注目するブランド資産価値ランキング」で、第一四半期から第二四半期のポイント上昇率が高い上位企業20社を発表した。四半期ごとに行われる本調査は、全米の18~24歳を対象にアンケートを取り、資産価値ポイントが前期比較でどれだけ上昇したかをまとめたもの。ランキング上位の会社は、次のようになっている。
人気俳優J.B.スムーブを起用したホワイトクローのCM。「このウォッカには日本語でしか言い表せない“UMAMI(旨味)”という成分が入っているんだ」と紹介する。
西海岸や東海岸の都市への週末旅行が当たるホワイトクローのInstagramサイト。
1位はハードセルツァーと呼ばれるアルコール入り炭酸水が若者に人気のホワイトクロー。今春ウォッカの新フレイバーの発売に際し、人気コメディー俳優J.B.スムーブを起用したCMキャンペーン“The World’s Smooovest Vodka”をテレビやオンラインで公開した。加えて夏には各地で野外フェスに出店し、若い観客にハードセルツァーを売り込んだ。また週末旅行が当たるキャンペーンをInstagramで実施。ハリス・ポール社CEOウィル・ジョンソン氏はアドエイジ誌で「ホワイトクローのウォッカやカクテルの新フレイバー発売は、夏の飲料水消費の時期にうまくマッチした。またイベントスポンサーになることで、夏を楽しむ消費者の心とブランド・アイデンティティを巧みに結びつけた」と評価した。
アイスクリームに代わる低カロリーの「カインド・プラントベース・フローズン・トリートバー」はZ世代の心を捉え、ブランド資産価値ポイント上昇率2位に。全米をフードトラックで無料配布して回った。
2位はプロテインバーやナッツバーで知られるカインド(日本市場向け品名は『ビーカインド』)。同社は...