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米国広告マーケティング事情

史上最大規模のFIFA女子ワールドカップに出稿する米企業

松本泰輔

2022年のFIFAワールドカップの興奮も冷めやらぬ、この夏「FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023」が開催された。本大会はFIFAが目標としていた観客数150万人を開幕1週間で達成するなど「女子W杯史上最大の大会」となった。4年に一度の好機を逃すまいと、さまざまな企業が大会に協賛しマーケティング活動を行った。

ナイキ、24年前のアメリカ優勝を再現するタイムスリップCM

1995年から米サッカー協会と契約しているナイキは、男女代表の公式ユニフォーム・サプライヤー。今回のW杯も数種類のCMを放映し、存在感を見せた。

2分30秒の長編CM「What The Football」は、1999年の米国女子チームの決勝戦をテレビ観戦していた父と幼い娘が主人公。試合は同点のままPK戦にもつれこみ米国最後のキッカー、ブランディ・チャステイン選手がPKを決めた瞬間、興奮した父親がバナナの皮で滑って転倒、頭を打って意識不明に。

24年後、目を覚ました父親は、米国だけでなく世界中に新しいスター選手が生まれ「かつてないほどサッカーが面白くなった」と成人した娘から教えられる。さらに本編に登場した米代表メーガン・ラピノーやノルウェー代表アーダ・ヘーゲルベルグなど各国のスター選手がそれぞれ60秒編として制作された。

同社グローバル・スポーツマーケティング副社長、タニア・フヴィズダック氏は「過去50年間ナイキはスポーツの力を通じて世界を動かす理念を持つアスリートと働いてきました。(中略)彼らと共同で革新的な商品とサービスを提供し、コミュニティーをサポートし、次世代へスポーツを繁栄させたい」とアドウィーク誌に述べた。

(1)ナイキ「What the Football」

1994年ワールドカップUSA大会を見ていた父と娘。米選手が決勝PKゴールを決めた瞬間、転倒し意識不明に。24年後に目が覚めると、世界でスター選手が次々生まれ、サッカー界は激変していた。

ユニリーバは公式スポンサーとしてFIFA女性プログラムをサポート

ヘアケア・スキンケア製品など幅広い女性向け用品を販売するユニリーバは大会前、FIFAが2020年から提唱する「世界中の女性にサッカーをする機会を与え、女子サッカーの普及に努める」という“Women’s Development Programme”に賛同し「資金調達や人材派遣などを通じて同プログラムをサポートする」と発表した。そして大会期間中に8万個のパーソナルケア製品をファンに提供することを約束した。

同社パーソナルケア製品責任者のファビアン・ガルシア氏は「FIFA女子ワールドカップ2023と共に、当社の製品に関心の高い膨大な観客と結び付きたい...

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