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著者インタビュー

ブランドと消費者の関係性を紐解き カスタマー・ハラスメントを予防する

榎澤祐一氏

消費者の向社会的行動原理
カスタマー・ハラスメント予防のためのコミュニケーション

●著者/榎澤祐一
●発行所/ひつじ書房
●価格/5500円(税込)

他人を助けたり、誰かのことを思いやって行う行動のことを、心理学では向社会的行動(pro-social behavior)と呼ぶ。その動機は利己的か利他的かを問わないことが特徴であり、こうした行動は一般的に、人間関係にポジティブな効果をもたらすとしている。

本書「消費者の向社会的行動原理」では、実務現場においてカスタマー・ハラスメントが課題となっていることに着目。ハラスメントが生じてからの「対処療法」ではなく、消費者の向社会的行動の正の側面を引き出すことで、ハラスメントの予防方法を検討することを目的としている。

著者の榎澤准教授の専門は、消費者行動論だ。同氏は大学卒業後にゲーム会社に勤務し、エンタテインメント・イベントの運営に従事。現在は大学教員を務める傍ら、公益法人の理事として、会員からの問い合わせに対応してきた。こうした経験が、研究の着想のきっかけだという。

第1章では、「問題の所在と背景」として、カスタマー・ハラスメント問題の現状を捉え、経済に大きな影響を与えていることを示す。例えばWysongら(2011)の「エンタテインメント・イベントの...

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