周年などのタイミングで編纂される「社史」。企業の規模を問わずつくられ、日本国内では毎年200点ほどが刊行されているのだという。
本書「社史から読み解く長寿企業のDNA」は、日本政策金融公庫が発行する『調査月報』で連載された「社史から読み解く経営戦略」(2016年8月号~2021年7月号)を書籍化したもの。
著者の村橋勝子氏は、経済団体連合会(現・日本経済団体連合会)にライブラリアンとして在職中に社史に興味を持ち、これまで『社史の研究』(ダイヤモンド社、2002年)、『カイシャ意外史 社史が語る仰天創業記』(日本経済新聞出版、2008年)などを執筆してきた。1万冊以上の社史に目を通したという村橋氏は、自身の驚きと興味の赴くままに、様々な切り口で研究を続けてきたと話す。
本書では、章ごとに7つの切り口で、61社の社史を紐解いていく。
第1章では、企業の「人」に着目。大日本除虫菊やカゴメ、江崎グリコ、ダイキン工業などを取り上げ、現在に続く創業者・経営者の想いを辿る。
第2章で紹介するのは、製品の「国産化」に挑んだ三菱鉛筆、ヤマハ、アサヒビール、日立製作所、ダイニックの5社。高価な...
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