プラットフォームの多様化が進む現在、日本における生活者のSNS利用にはどのような特徴が見られているのか。ICT総研では、今年5月にSNS運営会社・関連企業への取材に加え、インターネットユーザー4,406人へのWebアンケート調査を実施。同社アナリストの齊藤詩門氏が調査結果のデータをもとに、SNSの利用動向を解説する。
SNS利用者は月に約10万人増加 各プラットフォームの傾向は?
SNSは1990年代のインターネット黎明期から普及してきたサービスですが、現在も日本国内における利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2022年末には8,270万人に達する見込みです。
2021年末の国内ネットユーザーは1億78万人と推定されており、SNS利用者はそのうちの8割にあたる8,149万人でした。2022年の年間純増数は121万人となる見込みで、利用者は1カ月平均で約10万人の増加を続けています。
国内の総人口は年々減少を続ける一方で、スマートフォンの格安料金プランの登場など若年層だけでなく高齢者層においてもスマートフォンの普及が進んでいます。スマートフォンの普及に伴いSNSの登録者数・利用者数は増加傾向にあり、2024年末には利用者数は8,388万人、ネットユーザー全体に占める利用率は83%に達する見通しです。
また、日本における各SNSの利用率上位5サービスは多い順にLINE(79.5%)、YouTube(62.0%)、Twitter(55.9%)、Instagram(52.9%)、Facebook(24.6%)となっており、その下にTikTok(19.7%)が並びます【図表1】。
Facebookは世界的にみればユーザー数No.1のSNSですが、実名登録制ということもあり、日本では10代~20代のユーザー数が少なく、利用率が伸び悩んでいます。主なSNSの利用者数は軒並み増加傾向にあり、その中でも特に利用率を伸ばしているのがTikTokです。10代~20代がユーザー層の中心となっており、当社のアンケート調査では約7割が30歳未満の利用者と集計されています。TikTokを利用しているSNSユーザーは現在全体の二割弱程度ですが、今後さらに成長することが見込まれます。
情報収集目的の利用が活発化 メタバースの活用の兆候も
SNSの利用目的としては、「仕事や趣味などの情報収集」が最も多いようです。インターネット上で情報収集を行う際は、ブラウザ上の検索エンジンを利用することが一般的でしたが、SNSの検索を利用するユーザーが若い世代を中心に増えています。
検索エンジン利用との差別化点は、SNS毎に検索意図を持たせやすい点です...