ロングセラーブランドを多数持つカルビーでは、ファンコミュニティを大切にする文化が各ブランドに根付いている。発売30年目を迎えた「堅あげポテト」では、SNSを通じてどのようにファンとコミュニケーションをとっているのか。マーケティング担当の片倉美樹氏に聞いた。
メーカーであるからこそ消費者との直接の接点を重視
「かっぱえびせん」「サッポロポテト」「ポテトチップス」など、長く愛され続けるロングセラーブランドを多数、抱えるカルビー。
同社には、メーカーであるカルビーが消費者との直接的な接点を継続して持つことで、各ブランドの体験価値を向上させたいと開発した「カルビー ルビープログラム」をはじめ、「サッポロポテト」の「サッポロポテトアンバサダー」など、ファンの声を大切にしたコミュニティがいくつも存在している。
マーケティング本部 堅あげポテトチームに所属する片倉美樹氏が運営を担当する「堅あげポテト応援部」もこのひとつだ。
片倉氏は顧客やファンの声を大切にする文化は、カルビー社内に浸透していると話す。「当社では年に1度、全社員がお客さま相談室に届いた、お客さまからの生の声を傾聴する機会が設けられています。お客さまの声を聞き、改善やアイデアにつなげるという思想が、カルビーに長く定着していると感じます」(片倉氏)。
部員数は1万4000名 共創で新商品を生み出す
「堅あげポテト応援部」が立ち上がったのは2016年。おもな活動として、ファンとの新商品の共創を目的に設立された。
「当時、『堅あげポテト』はブランドとしてアイテム数を増やしていく一方で、商品一つひとつの売上が停滞していました。ファンの方の力を借りて商品を共創することで、この状況を打開しようと生まれたのが『応援部』です」と片倉氏。設立後、ファンとの共創による新商品は毎年誕生しており、記念すべき5品目の共創商品「堅あげポテト 青じそ明太子味」を11月21日に発売したばかりだ。