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経済学の視点

行動経済学が教えるナッジの効き目

依田高典氏(京都大学大学院)

価格のインセンティブが働かない!公共心が頼りの節電要請

行動経済学が教える言葉の力によるナッジ。しかし、何ごとにも魔法の杖は存在しない。ナッジの効き目を推し測るために、私たちは、医薬品の効き目を測るように、実験参加者をランダムに介入を受けるグループと受けないグループに分割する。

例えば2011年3月11日の東日本大震災後の電力危機を受けて、どうやって節電を促すかという目的で、経済産業省や電力会社等と一緒にフィールド実験を行った。時期は2012年度夏期と冬期で、場所は京都府南部に位置する関西文化学術研究都市。700世帯ほどの実験協力を得て、無作為に介入を受けない対照群、節電要請のナッジを受ける介入群、発電費用に応じて価格が変動する介入群に分割した。

節電要請の介入群では、「明日は電力の需給が逼迫するので節電してください」とお願いするメッセージをメールやWebで流した。変動型電気料金の介入群では、発電費用に応じて、キロワット時あたりの電気料金を100円程度まで引き上げた。双方の介入を同日同時に発令したので、介入群と対照群の電力消費量を比較すれば、簡単に介入効果が分かる...

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