消費や所有そのものよりも人々に満足を与える3つの「価値」
人はなぜモノを買うのだろうか。何らかの満足が得られるからだ。では、その行動のなかで、より大きな満足をもたらすものは何か?本コラムでは、人は、何が自分に大きな満足をもたらすのかについて、きちんと認識できていないという話をしてきた。今回も、「消費者に過小評価されがちな価値」として、モノの消費や所有そのもの以上に大きな満足をもたらす、3つの例を示す。
ひとつは「人間関係」である。人間関係がもたらす満足はモノの所有よりも大きいことも多いが、人々に過小評価されている。人間関係は、それが良いからといって、収入や社会的地位につながるとは限らないが、大きな満足をもたらすことは言うまでもない。
日本のような先進国では、戦後所得水準も上昇し、物質的満足は年々上昇しているように見えるが、人々の幸福度はなかなか増えない。この原因のひとつとして、所得が増加すると財の消費は増えるが、一方で人間関係は徐々に希薄になり、そこで消費の増加による満足が相殺されて結局、幸福は増加しないのだという仮説がある。この仮説は、世界の幸福・満足度調査のデータを基に検証され十分な根拠が得られている。
第2は「プロセス」だ。
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