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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

商品のユニークさと「プレイフルさ」で愛され続けるオレオ110周年

モンデリーズ・ジャパン オレオ

(左)1912 (右)2022

ココア味のクッキーにバニラクリームを挟んだビスケットで親しまれているOREO(オレオ)は2022年で生誕110周年を迎える。

オレオが生まれたのは1912年。南極大陸発見やタイタニック号の沈没などの歴史的出来事があった時代に、アメリカ・ニューヨーク州にて量り売りというスタイルで発売された。

「当時は手押し車に商品を載せて売り歩いていたようです。その頃のアメリカは、諸外国からの移民が増加していた時代。様々な食文化を持つ人々皆が、食べた時に思わず笑顔になれるような、そんな日常のひと時を提供することを目指し、販売していたと思われます」と、モンデリーズ・ジャパン マーケティング本部の山村仁子氏は話す。

その後、オレオは商品を箱詰めしたパッケージングに販売方法をいち早く切り替え、販売数を拡大した。1928年にはアメリカ以外の国々での販売も開始。日本では1987年に発売され、現在では世界100カ国以上で販売されているオレオだが、ブラックのココアクッキーに白いバニラクリームを挟んだ形は110年間守られ続けてきた。

「もちろん、グローバルで展開するにあたり、その地域特有のニーズや、シーズナリティ商品として、クリームのフレーバーを変えたり、形状を変えたりといった商品の開発は行っていますが、ココアクッキーとバニラクリームという、オレオの本質は110年間変化していません。このような商品自体のユニークさや、ブランドとして大切にし続けているプレイフルさ(遊び心)が、“オレオらしさ”であり、長い間ブランドが愛していただけている理由ではないかと考えています」と山村氏は説明する。

アニバーサリーイヤーとなる今年は、近年のライフスタイルの変化に伴う新たな世代をターゲットに、ブランディングを強化していく。

視点01 商品・ラインナップ
パッケージフォーマットの拡充にシフトしリピーター獲得へ

ココアクッキーとバニラクリームの組み合わせが定番のオレオだが、国内では日本らしさを意識した形状や味のバリエーション展開も。クリームに抹茶やティラミス、季節に合わせたシーズナリティ商品として冬はストロベリー、春は桜などのフレーバーを用意。形状も定番よりも薄い「クリスピー」を発売した。これらの展開により、女性やファミリーなど購買層を拡大していった。

近年ではコロナ禍により消費者の意識が変化。目新しいものより食べ慣れた馴染みのある味に注目が集まる傾向がみられたことから、改めて定番商品の展開に注力。喫食機会を増やす戦略として大容量の「オレオ ファミリーパック バニラクリーム」や...

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