デジタル化をはじめ、販売チャネルの増加、価値観の変化など、消費者の生活が目まぐるしく変わっていくなか、マーケティングの在り方も大きく進化してきた。
本書『マーケティングは進化する」は、2014年に出版された書籍の改訂版となる。事例やデータを最新のものに更新したほか、当時は仮想例や海外例だった事例を日本国内のものに変更。また、教科書として導入された授業での反応を受け、主にマーケティング・モデルに関する記述を書き換え、より平易で分かりやすい内容となった。
著者は、マーケティング・サイエンスや消費者行動を専門とする水野誠教授。本書の読みどころについて、「マーケティングの教科書と現場の体感のズレ、伝統的枠組みとSNSなどの新動向のズレに目を配った。また現時点では実務家にはなじみがないが、実は役に立つマーケティング・サイエンスの最新研究を紹介しているのが類書にはない点です」と話す。
本書では、マーケティングの発想が、市場全体を俯瞰して最適化を図る「トップダウン型」から、顧客資産やブランドアイデンティティを起点に変化する市場に適応する「ボトムアップ型」へと転換していることを...
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