サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、持続可能な社会の実現に向けて2015年にEUで提唱された概念だ。それはすなわち、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄で、気候や生態系に多大な損失をもたらす直線型のシステムに代わるもの。サーキュラーエコノミーでは、設計や製造、消費、廃棄など経済活動のあらゆる段階で循環系を構築。環境保護と利益獲得の両立が困難だと思われてきたなかで、単に負の影響の低減だけではなく、新たに経済的価値をつくり出すことを目指している。
日本国内でも2021年3月に環境省と経団連が官民連携で「環境経済パートナーシップ」を立ち上げるなど、企業や個人に対する理解の醸成と取組みの推進を図っている。
本書「サーキュラーデザイン」の著者は京都工芸繊維大学の水野大二郎氏と津田和俊氏。両氏はこれまで、デザインと社会との接続について研究を行ってきた。
出版にあたり水野氏は、「サーキュラーエコノミー関連の書籍では、ビジネスの観点から新技術やデザインの話が多く出ていますが、具体的に何をどう開発したらよいのか...
あと60%