「モノ」から「コト」へと製造業のサービス化が語られるようになり久しいが、その状況はデジタル化によりさらに加速した。自社の事業から価値を生み出し、顧客に届けていくにはどうしたらよいのか。あるいは新たな事業を創りだすべきなのか。本書『収益多様化の戦略』では、そうした価値創造をさらに前進させ、利益を生み出すものとするための「利益イノベーション」実践の重要性を説く。
著者は、ビジネスモデル研究とマネタイズ戦略の研究を専門とする、兵庫県立大学教授の川上昌直氏。本書について、「価値創造では利益が生まれなくなった時代、『価値獲得(利益収穫)』のイノベーションが必要になっています。本書では、価値獲得にこだわり、その方法論まで体系的に説明しています」と話す。
第1章と第2章では「利益イノベーション」の概念と、利益にこだわるべき理由を解説。AppleやAmazon、Netflixなどのビジネスモデルを基に、先進事例を示す。
そして第3章では、代表的な価値獲得の仕組みを整理する。従来のビジネスモデル研究においては、エイドリアン・スライウォツキーによる22分類の「利益モデル」(1997・2002)...
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