次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのだろうか。今回はライオン ヘルス&ホームケア事業本部 オーラルケア事業部で活躍する中垣 愛さんに話を聞いた。
感慨深くなるのは担当した商品が生産される瞬間
2021年に創業130周年を迎えたライオン。「クリニカ」や「システマ」をはじめとしたオーラルケアブランドや、「バファリン」などのメディカルケアブランドにも多くのロングセラー商品をもつ日用消費財メーカーだ。コーポレートメッセージである「今日を愛する。」が印象に残っている生活者も多いのではないだろうか。
そんな同社でマーケティングを担当している中垣愛さんは現在入社6年目。先述の「システマ」や2017年にローンチした「NONIO」といったブランドを担当してきた。
「入社以来、ブランドの開発担当として5年間活動してきましたが、感慨深くなるのは、担当した商品が工場で初めて生産される瞬間です。マーケティング活動の醍醐味は調査からインサイトを見つけ出したり、戦略を立てたり、それらをコミュニケーションや商品そのものに落とし込むところだと思っています。そして、その諸々の過程を経て『形』になった商品を送り出すときは、いつも感慨深くなる瞬間です」(中垣さん)。
大学時代からマーケティングを学んでいたという中垣さん。初めて実務としてのマーケティングに触れ、最初は難しさも感じたと話す。
「私は大学でもマーケティングを専攻していましたが、授業ではすでに発売されている商品を扱って、開発過程などを学んでいました。ですから、消費者調査から見えてきた仮説をもとに、商品の企画開発を行ったというケースを学んでも、あくまで後付けでの理解に...