顧客データの活用で 解約率を改善しLTVを高める
2021年2月、顧客分析を自動化することで複雑な顧客データの活用を簡単にし、LTV/解約率の改善を行う、サブスクリプション事業者向けLTV/解約率改善サービス「KiZUKAI」がリリースされた。
開発したのはKiZUKAI。代表取締役CEOの山田耕造氏は、「当社はサブスクリプション事業に特化し、プラットフォーム開発・運営、メディア運営、コンサルティングなどの支援事業を手掛けている。今後、様々なサービスがサブスクリプション化していく中で、解約率への取り組みが最重要テーマとなる。しかし現状では多くの企業が手探りで自社サービスの解約率の改善に取り組んでいる状態」と話す。
企業の取り組みのボトルネックとなっているのがデータの活用だ。今回リリースした「KiZUKAI」を、サブスクリプション事業者が活用することで、手軽に顧客の理解を深めることができ、顧客ごとに適切なコミュニケーションを実現し、必要なサービス改善に取り組むことができるという。
同社の創業は2016年3月。それ以前の山田氏は約10年、CRM(Customer Relationship Management)ソリューション企業で、顧客の分析や顧客行動に基づいた改善のコンサルティングに従事していた。その中で「どこの会社も顧客データが分散化しており、活用に至らないケースが多かった。ボトルネックがデータ活用にあるならば、そこをサポートできる、広く汎用的に使えるツールをつくれないかと考えるようになった」と起業に至った経緯を語る。
創業当時はモンリッチという名で、外資系メーカーを中心にCRMのコンサルティングに従事していた。しかし、そこでも課題を感じることになる。「ロイヤルティを高めることが長期的に見て企業の収益につながることがわかっていても、どうしても短期の成果が求められがち。LTV向上のための施策を実施する際の壁を感じていた」(山田氏)。
こうした課題感が「KiZUKAI」の開発につながっていく。サブスクリプションサービスにおいては、解約率は重要なKPIになる。いかに長期に使ってもらえるかが、勝負なのでLTV改善のための施策を実施しやすい環境にあるからだ。
解約率・LTVの改善に際して必要となるのが深い顧客理解。サブスクリプションサービスでは顧客理解が“Must”になる。CRMコンサルティングに従事していた時に感じていた「会社が動かない」というジレンマは、サブスクリプションを取り入れた瞬間に...