[SEMINAR DATA] | |
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ゼミ名 | 若林靖永ゼミ |
設立 | 1997年 |
学生数 | 2年生:7名 3年生:10名 4年生:10名 |

京都大学大学院 経済学研究科
若林靖永教授
京都大学経営管理大学院経営研究センター長・教授を兼ねる。専門はマーケティング、流通、商業、アントレプレナーシップ、批判的思考教育など。CIEC(コンピュータ利用教育学会)会長、商品開発・管理学会事務局長、京都市観光振興審議会会長、教育のためのTOC日本支部理事長など。
学内唯一のマーケティングゼミ “自走する組織”をつくるには?
若林ゼミの活動の中心は、事例を基にした演習だ。特定の業界やブランドについて、事前にグループごとに検討してケース課題についてプレゼンし、全体でケースディスカッションを行う。1事例につき2週間。3年生がその都度テーマを選定するが、「チューインガム」「紅茶飲料」「消臭芳香剤」「家具店」「航空業界」「SVOD」など、扱うジャンルは様々だ。1週目は業界の競争構造、消費者のブランド認知など、フレームワークを活用した現状分析を、2週目で、ビジネスプランや販売促進の企画を考案する。
特に今年はコロナの影響を分析して施策立案を考えている。「3年生は10人いるので、1年間で10事例。本当なら100件くらいやりたいところ」と若林教授。マーケティングを学ぶにあたり、基本的なマネジメントプロセスについて学ぶこと、理論からマーケティングをとらえることに加えて、とにかく多くの事例を考えることが重要だと話す。
また学生自らが企画して、学外コンペへの応募や、企業と連携したプロジェクトにも取り組む。4月、3年生は新2年生のゼミ生に対してプロジェクトテーマを提示して“リクルート活動”を行い、チームを結成する。
「細かなプロセスでのマネジメントを教員は行いません。テーマ選定はもちろん企業への依頼も、すべて自分たちで体験することで学びを深めていってほしい。私としては、うまくいかなくてもその体験に意味があり、その学びを得ることが成功だと思っています」(若林教授)。
学生の様子について聞くと、「ゼミ生が主体的に行動し学び合ってくれていて、とても感謝している」とのこと。目指すところは“Management by absence”、経営者が不在でも自走する組織。若林ゼミでは、開始時間になって教授がいなくても、学生たちで授業は進んでいく。特別に仕組みを作っているわけではなく...