[SEMINAR DATA] | |
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ゼミ名 | 栗木 契ゼミナール |
設立 | 2004年 |
学生数 | 博士前期課程:8名 博士後期課程:10名 |

神戸大学大学院 経営学研究科
栗木 契教授
神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。岡山大学経済学部助教授などを経て、現職。『日本経済新聞』『プレジデント』などの各紙誌で連載等を担当してきた。主要著作に『デジタル・ワークシフト』(産学社)、『1からのグローバル・マーケティング』(碩学舎)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』(有斐閣)など。
時流をとらえた研究テーマの設定
栗木教授の専門はマーケティング戦略、事業創造。現在はMBAコア科目や一般大学院のゼミを担当している。大学院ゼミは留学生の割合が高いのが特徴で、この5年ほどは日本企業が留学生の採用意欲を高めていると感じているそうだ。「かつては母国の企業か、日本企業でも海外拠点での採用が多かったのですが、潮目は変わりました。マーケティングという学問はすそ野が広い。メーカーや流通、ベンチャーなど幅広い業種で採用されています」(栗木教授)。
研究室(ゼミ)には、博士号の取得を目指すビジネスパーソンや大学教員など社会人学生も所属する。それだけに、実践との関係を意識した明確なテーマの議論が活発に行われているという。「博士論文ともなると、壁にぶつかったときに乗り越えていくためのモチベーションが重要です。これは他の研究室でも同様かと思いますが、こちらからの指示ではなく自分でテーマを設定することを重要視しています。本当にやりたい研究でなければ、火事場で馬鹿力も出ないと思うのです」と栗木教授。
一方で、学会で注目されるかどうか、社会的な時流をとらえた研究であるかも問われるという。「プロの研究者としてのキャリアを考えると、所属学会での評価や、社会からの期待に応えるという姿勢も大切です」。
インターネットの活用が一般的になった今、データ取得や分析の手法は変化してきている。栗木教授は「昔と同じ仕事をしていては評価されない」と語る。「かつては企業に足を運んで、各社に保管されている資料やスクラップの提供を受けたり、証券取引所に行って財務諸表を複写したりと、泥臭い作業の積み上げが必要でした。今はこうした情報は、ネットで簡単に入手できます。その分、独自の観点からの切り込みなどへの要求は高まる一方です。いまの人は大変だと思います」(栗木教授)。