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フランス消費トレンド

フランス人の本物志向に訴求 ひねりの効いたケンタッキーの比較広告

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

一見、何の変哲もない屋外ポスター? KFCがコロナ渦に仕掛けた販促

新型コロナで広告業界も打撃を受けるなか、市場の変化を捉え工夫を凝らした広告宣伝も目にするようになったと思います。今月はその一例として、フランスでケンタッキーフライドチキン(KFC)が仏のエージェンシーSid Lee Parisと制作した「チキンテンダー」(骨なしチキン)のOOHキャンペーンをご紹介します。

コンセプトは「Unalike」(似ていない)。狙いは、“競合他社”のナゲットと比較してチキンテンダーの強みを視覚化して伝えることです。ポスターにはチキンテンダーの写真と共に「同じテンダーは2つとない。私たちは本物の鶏胸肉を調理しているのだから」というヘッドラインが示されています。

一見何の変哲もないポスターに見えますが、実はチキンテンダー200個以上の写真がポスター1枚ずつに割り当てられ、ポスター複数枚を並べて配置すると、形状、サイズの多様性が強調され「食材の個体性=素材の本物感」が直感的に伝わるという設計です。

また、これらの屋外ポスターをコマ送りにしたアニメーションGIFを使い、同じチキンテンダーを探し当てることに挑戦してもらうオンラインキャンペーンが行われ、リアルとデジタルの連動も図られました。マクドナルドとの「チキン戦争」は今に始まったことではないですが、KFCはなぜこのタイミングで仕掛けたのでしょうか?

KFC Franceによるキャンペーン「Unalike」(Agency:Sid Lee Paris)。

普及が広がるフードデリバリー 市場の変化を捉え先手を打つ

その狙いはコロナ渦で成長するデリバリー市場への攻めの一手に見えます。

米McKinsey & Companyの調べによると、フードデリバリーの大手プラットフォームDeliverooにおける金曜日と土曜日の夜の注文数は、封鎖前と比較(※)して欧州全体で36%、フランスでは16%以上増加したと報告されています。フランスの伸び率が欧州全体に対して低いのは、もともとDeliverooの普及率が欧州一高かったためで、肌感ではパリ市内は以前にも増してデリバリーバッグを背負ったバイクや自転車を見かけるようになり、数字以上に増えているように感じます。

(※)2020年5月と2月の比較

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