「経営学」とは「誰に向けた」「どのように役に立つ」学問なのか?改めて問われると回答に迷う人も多いのではないだろうか。
本書『経営学って何か教えてください!―マネジメント・ジャングルを彷徨う―』は、出版社に勤める新人編集者・南山メグミが、本書の著者であり、登場人物でもある亀川雅人教授に、新たに出版予定の経営学書に関する企画を相談するというストーリー仕立ての内容。経営学を学んだ経験のない南山メグミが、亀川教授との会話や授業を通して、経営学の歴史や本質を基礎から身に付けていく。各章末にはその章の要点を簡潔にまとめた「メグミのメモ(まとめ)」も用意されているので、一章ごとの振り返りや、課題の把握に役立てることができる。
本書の中で著者は、実務と研究の間には、しばしばギャップが生まれると述べる。ギャップが生まれる原因のひとつに、実務家と研究者の関心ごとには差があるという点が挙げられる。実務家は具体的な仕事として、それぞれ専門に特化した課題に直面している。専門的であるからこそ、市場との差別化ができ、企業は組織として存続もできる。
しかし、研究者の仕事は...
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