揮発性の高いメディアにおけるテキストマイニングの効果
前回は人によって異なる、「元の生活」をどう理解するか?において、ナノデータについて書いた。ナノは単位のナノであるが、私たちはビッグに対して極小という意味でナノデータという言葉を使っている。
かつてあるサービス産業の方が、SNSや掲示板など、オンライン上の単語や短い文章を用いて、テキストマイニングによるビッグデータ分析をして企画づくりをしていた。しかし、そうしたデータの分析からつくった企画は、社長から「話が小さい」と言われて一蹴されたとのことである。
ビッグデータには魅力もあるが、連続性や新規性、少数事例の扱いといった観点からは、デメリットも抱えている。
SNSをはじめとする揮発性の高いオンラインのメディアにおける書き込みは、短い単語や文から成ることが多い。ドラマを見ながら感想を書き込んだりする場合、なおさらである。「ヤバッ」などという書き込みが、サスペンスにおける「まずいなぁ、逃げろ!」なのかイケメンのとろけるような笑顔に対する「あぁーん!エクスタシー!」なのか、文字情報のみから判断することは難しい。
また、ビッグデータ分析では、単語がどのくらいの頻度で登場するかが重要である。頻度が高いからこそ...
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