令和初日の2019年5月1日、シングル『離さない 離さない』で“令和第1号新人歌手”としてデビューした新浜レオンさん。同年には「第61回 日本レコード大賞」で新人賞を受賞し、歌謡界に新風を吹かせる新浜さんが歌謡曲の魅力を伝えていく上で考えていることとは。
演歌歌手の父への憧れを胸に「令和のスター」を目指す
数々の有名アーティストのヒットソングを手掛けてきた制作陣が手掛けるデビューシングル『離さない 離さない』で、令和の幕開けとともにデビューした歌謡界の新星、新浜レオンさん。
22歳の若さで歌謡の世界に飛び込んだ新浜さんの原点は、演歌歌手である父、髙城靖雄さんだ。幼少期から髙城さんの歌を聞いたり、歌謡番組を見たりするなど、自然に演歌・歌謡曲に触れ、親しんできた。子どもながらに父の脇に立って演歌・歌謡曲を歌うこともあったという。
演歌・歌謡曲を愛する気持ちを持ち続けていた一方で、高校までの学生時代にひたむきに打ち込んでいたのは野球だった。
「読売ジャイアンツの坂本勇人選手に憧れていて、本気でプロ野球選手を目指していました。ですが、目標だった甲子園出場は叶わず、挫折を味わいました。それをきっかけに心機一転し、大学では父の仕事の手伝いをしてみようと思ったんです」。
高校3年最後の甲子園で夢破れてから、髙城さんのかばん持ちを始めた新浜さん。父の仕事を間近で見ているうちに、目指すべき新たな道が見え始めた。
「大好きな演歌を歌って、それで家族を養っている父に対して、子どもの頃から憧れは感じていましたが、手伝いをするまで歌手という仕事の大変な部分は知りませんでした。ただ、そうした苦労を上回るほどの演歌・歌謡曲の魅力に改めて気づいたことで、さらに憧れは強まりました」。
そして、演歌・歌謡曲の魅力を老若男女問わず幅広い年代に届けたいと考え、自らも歌手の道を志すように。野球に打ち込んでいた頃の“一球入魂”の精神を“一曲入魂”へと転換し、父のコンサートで前歌を歌ったりバックコーラスをしたり、一方では千葉テレビ放送の番組のMCを務める機会を得るなど活動の場を広げていった。
大学のミスターコンテストでは、大勢の学生の眼前で歌謡曲「青春時代」を歌い上げてアピールし、見事グランプリをつかみ取ったことも。
「学生時代から、カラオケなどでよく演歌・歌謡曲を歌っていました。それを聞いた友人たちが演歌・歌謡曲を気に入ってくれることが多く、いつの間にか口ずさむようになったりしていて。聞いてもらえば、必ずその良さは伝わるという自信がありました」。
新浜さんが感じる演歌や歌謡曲の一番の魅力は、歌詞から情景をともなって楽曲の世界観が伝わってくるところだ。思わず手拍子をしたり、自然と動きたくなる音楽性ももちろんだが、新浜さんはこうした日本の心を一曲入魂で伝えていきたいのだという。
そして、就職活動の時期。一般の企業にもエントリー準備しながらも、夢を追うことを諦めずに様々なレコード会社にデモテープを送った。そうして演歌界の原石たる新浜さんの可能性を見出した一社が現在、新浜さんが所属するビーイングだ …