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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

ハイチュウ45周年 店頭でニュースをつくりアップデートをし続ける

森永製菓ハイチュウ

(左)1975 (右)2020

日本で初めて発売されたチューイングキャンディが、森永製菓の「ハイチュウ」だ。「ハイチュウ」は同社のキャラメル製造の技術を活用し、ガムが流行していた1975年に、最後まで食べられるチューイングキャンディとしてソフトな食感とフルーツのおいしさを合わせ開発された。

現在は子どもに親しまれている「ハイチュウ」だが、発売当時は高度経済成長期の高級志向を受け、高級を意味する「ハイ(Hi)」をつけた大人向けのお菓子として誕生した。当時はキャラメルと同様の縦型の箱入りで、粒は3層構造。最初に販売されたフレーバーはストロベリー味で、グリーンアップルやグレープなど他のフルーツのフレーバーも開発し、ラインナップを拡充していった。

発売から10年経ち、ポケットに入る持ち運びやすさなどを意識して箱入りから10粒入りのスティックパックへ変更。当初は商品パッケージのサイズが小さく、店頭で目立ちづらいという課題があったため、2000年には値段は据え置きで10粒入りから2粒増量し、12粒入りに。店頭での存在感が増し、売上を高めることに成功したという。

「ハイチュウ」の特徴と言えば、基本のフレーバーに加え、期間限定やご当地フレーバーが多く存在すること。広報グループの藤田氏は「これまで商品化していないフルーツはないと言えるほど、多様なフレーバーにチャレンジしてきたと聞いています」と話す。ロングセラーブランドだからこそ、常に新しいニュースが必要。消費者の興味を喚起し続けるために、多くのフレーバーに挑戦してきた。しかし、再現できてもハイチュウの食感と合わない味や人気の出ないフレーバーもあり、多くの苦労を費やしたという。

今年45周年を迎える「ハイチュウ」は、パッケージデザインをリニューアルし、プロモーションもリニューアルして展開していく予定だ。

視点01 商品開発・品質向上
"ジューシーな味わい"と"食感"を追求

マーケティング本部の糸岡氏は「日常の中で、いつでもどこでも手軽な"幸せ"として味わってほしい」と話す。その"幸せ"とは、フルーツのジューシーな味わいとチューイングキャンディの食感の組み合わせから生まれるもの。果実感を追求し、過去には皮も入れた丸ごと絞り果汁の使用、現在は果実ピューレを入れるなど発売から少しずつ改善を重ねている。

時には、ドリアンなどクセのあるフルーツを再現しすぎてしまうこともあった。食感については、キャラメルをつくる会社だからこそできる、やわらかさと噛み応えが差別化ポイントになっていると語った。

賞味期限は1年間と設定しているが、ジューシーさと独自食感をより長く、製造時の品質のまま維持することが課題だったという。そこで...

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