広告マーケティングの専門メディア

ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

生活を豊かにするために技術を追求し続け40周年を迎えた「ウォシュレット」

TOTOウォシュレット

(左)1980 (右)2020

今や日本のトイレに当たり前の存在となっている温水洗浄便座。その代表格とされるのがTOTOの「ウォシュレット®」だ。

「ウォシュレット」の発売は、洋式トイレの普及が進み始め、他に同様の商品が国内には普及していなかった1980年。ビデが普及していた欧米では、「おしりをお湯で洗って温風で乾かす」文化があり、商品化もされていることを知ったことがきっかけだ。「痔を患っている人に喜ばれるのでないか」と判断。「ウォシュレット」の原型となる医療用の「ウォッシュエアシート」を輸入、1964年から国内販売を開始した。

同社 広報部 東京広報グループの岩崎愛氏は、「外国製のため修理や部品の取り寄せにもコストがかかることから、その後国産化に踏み切る決断をしました。売上が伸びていたため需要増大を予測し、1978年には自社開発を開始。1980年に『ウォシュレット』の発売にこぎつけました」。

それからは洋式トイレへの移行や「おしりだって、洗ってほしい。」のテレビCMなどを通し、トイレ文化は変革を遂げ、「ウォシュレット」累計出荷台数は2019年3月で5000万台を突破。日本国内での温水洗浄便座の一般世帯普及率は80.2%(2018年)(※1)となった。

※1:内閣府・消費動向調査より。

ロングセラーであり今も売上を伸ばしている理由について、販売統括本部 メディア推進部 メディア推進グループ グループリーダーの南山佳宏氏は「そもそも当社は下水道が整備されていない時代から便器を製造するなど、常に生活文化を豊かにすることを追求してきました。快適さを追求するために技術開発を進めた結果だと思います」と語る。

海外への出荷台数はこの10年で約5倍に(※2)。近年は"デザインと機能の融合"に注力して商品開発を行っているという。今年の6月で発売40周年になる。

※2:「ウォシュレット」の海外出荷台数における2008年度と2018年度の比較。

視点01 商品開発
"快適"を求めニーズが顕在化する前から

日本のトイレが和式から洋式に移行していく中、水まわりのトップメーカーとして温水洗浄便座の市場が来ると時代を読み、自社での「ウォシュレット」開発に踏み切った同社。しかし、自社開発には苦労が伴ったという。

新商品開発には、安全性はもちろん、快適な洗浄感や使いやすさを高める必要があった。しかし、肛門の位置のデータなどがなかったため、開発当時は社員約300人に協力してもらった。

「社内に実験室をつくり、中央に針金を通した便座に座って、肛門の位置に当たる箇所に付箋を貼ってもらうという実験や、洗浄温度を0.1度ずつ変えて快適な温度を調べる実験を行ったそうです …

あと61%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略の記事一覧

ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する