全米小売業界が年末商戦を予測「前年比3~4%増で最大145兆円」
11月の第4木曜日の感謝祭が終われば、アメリカは本格的な年末商戦へ突入する。National Retail Federation(全米小売業協会)は、2023年米年末商戦の総支出額を前年対比3~4%増の9573億ドルから9666億ドル(143.6兆円~145兆円)と予測している。慣習では「ブラックフライデー・セール」は感謝祭の翌日から始まるものだが、ここ数年、11月初旬から前倒しで年末セールを始める企業が増えている。
米国広告マーケティング事情
5月、グーグルは商品の検索画面から直接商品を購入できるようにGoogle Shoppingを刷新した。これは、わざわざ気になった商品を検索せずとも、写真をクリックするだけで商品を購入できるピンタレストやインスタグラムの広告に対抗する狙い。このように写真をクリックするだけで商品購入ができる仕組みを「ショッパブル(購入できる)広告」と呼ぶ。
SNS上で同広告の成功を見た米国の4大ネットワーク局のひとつNBCは、10月下旬に「今年5月からβ版のテストを重ねていた『ショッパブルテレビ広告』を秋から本格始動する」と発表し、話題となっている。
NBCが半年前から試験的に導入しているショッパブルテレビ広告は、番組の途中に、画面下にQRコード付きの広告が現れ、それをスマートフォンでスキャンすると商品を購入できるサイトに飛べる仕組み。ショッパブル広告は、その特徴のひとつとして、番組コンテンツにマッチした商品を登場させることがあげられる。
例えば、5月開催のテニスの全仏オープンではノバク・ジョコビッチ選手の試合中に、同選手のウェアスポンサーであるラコステのQRコード付き広告が画面下に登場し、「Open Camera, Scan Code, Shop Now(カメラを開いて、コードをスキャンして、今すぐ購入を)」と視聴者に呼び掛けた。
その他、モーニングショー「Today」のアウトドア紹介コーナーでウォルマートのデッキチェアが、ツール・ド・フランス生中継でバーチャルサイクリング「ZWIFT(ズイフト)」が、QRコード付きショッパブル広告として画面に登場した。
Fiercevideo.comは「Todayではわずか数分で5万回以上のスキャンがあり10万ドル(約1080万円)を超える売上があった」とショッパブル広告の効果の高さを報じている …