コストパフォーマンス、いわゆる“コスパ”が意思決定の判断基準となる機会も多くなった現在。コスパ重視に踊らされないために、企業が持つべき視点とは。企業や官公庁のアドバイザーとしても活躍する横川楓氏が、コスパ重視の潮流の背景からひも解きます。
シビアな現実が続く中でファン心理が消費を動かす
日本経済の低迷が続く中、手取りは減少し、そして上がる見込みも薄い。特に若者世代で"コスパ"が重視される最大の理由として、横川楓氏は、「手取りと物価の格差の広がり」を指摘する。
横川氏によれば、消費対象に目を向けると不動産価格の上昇により家賃など「住居費」が可処分所得に占める割合が、30代以下を中心に高まっている。また若年層は「衣服」への消費が減っていると思われがちだが、ファストファッションの隆盛で消費額こそ下がってはいるものの、お金をかける人そのものは依然として多いというデータ(*1)も。逆に生活費の中でも比較的自由に使える食費などを削っていることが調査(*2)で明らかになってきているという …
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