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私の広告観

フードクリエーションの観点から見る、食は体内で感じる「メディア」

諏訪綾子さん

特定のコンセプトを「食」通じて表現する「food creation」を主宰する諏訪綾子氏。2008年からは「感覚であじわう感情のテイスト」として、人間の感情をフルコースであじわうフードエクスペリエンス「ゲリラレストラン」を不定期で開催している。人が毎日行う食事に新たな価値を与えようとする諏訪綾子氏にとって表現とは何か。

諏訪綾子(すわ・あやこ)さん
アーティスト、food creation主宰。2006年より活動を始め、東京・福岡・シンガポール・パリ・香港・台北・ベルリン・バルセロナなど国内外でフードパフォーマンスや展覧会、ディナーエクスペリエンスを発表。人間の本能的な欲望、好奇心、進化をテーマにした食の表現を行い、美食でもグルメでもない、栄養源でもエネルギー源でもない、新たな食の価値を提案している。www.foodcreation.jp

感情や旅をあじわいで表現 体験を調理して提供する

2019年2月27日から3月15日まで東京・南青山の「INTERSECT BY LEXUS-TOKYO」にて同施設とのコラボレーション企画「Journey on the Tongue」を開催した諏訪綾子氏。諏訪氏は、食による表現活動「food creation」を主宰し、「ゲリラレストラン」や「Journey on the Table」といった「食」の体感をテーマに、世界中で活動を行っている。

「ゲリラレストラン」は、普段レストランがありそうにない場所に突然開店して数日で閉店する、文字通りゲリラ的に出現するレストラン。そこでは人の感情をあじわいで表現した「感覚であじわう感情のテイスト」がフルコースで提供される。

「感覚であじわう感情のテイスト」は、2008年に伊勢丹新宿店や金沢21世紀美術館で発表され、以後世界各地を巡る。「一瞬で沸き起こる怒りのテイスト」「痛快のテイスト」といった形で名付けられる感情のテイストは、レストラン開店のたびに新たなテイストが追加され、現在までに101種類が考案されている。

諏訪氏が「食」を表現しようとした背景には自身の幼少期の体験があるという。諏訪氏が生まれ育った石川県・能登半島は海に面し、丘陵地帯が連なり、その景観の良さから観光地としても人気が高い。身近に豊かな自然を感じ、育ってきた。

「子どもは、グロテスクなものやキラキラ光って見えるものに惹かれますよね。私も外へ遊びに行くと、虫の死骸やカエルの卵、びっしり詰まった花粉なんかが気になっていました。最初は眺めているだけだったのに、そのうち触れてみるようになり、いつからか食材に見立ててお料理として友達に出したり…ままごと遊びですけれど。振り返って考えると、当時の体験に今の『ゲリラレストラン』のルーツがあると感じています」。

そうした体験が自身の活動の根底に流れていると話す諏訪氏の「ゲリラレストラン」では、感情のテイストをあじわってもらうために、手づかみで食べてもらうのだ …

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