パナソニックとの共同製品開発や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた政府との取り組み、東日本大震災のあとに活躍している原発ロボット開発など、国や企業とさまざまな取り組みを行う古田貴之氏。古田氏の行う、自身のブランディング戦略について聞きました。
未来をつくり、ブランドが生まれる 古田氏のブランディング戦略
「機能とデザインの一体化」を目指す、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター「fuRo」。その代表を務める古田貴之氏は、「fuRo」の目的を、"未来の社会をつくること"だと話す。
「僕ら(fuRo)は、日本で初めての学校法人直轄の研究団体です。僕は未来をつくりたいという思いを胸に研究に励んでいますが、大学は僕らにブランドをつくることを期待しています。僕が未来をつくること=大学のブランドをつくることなんですね。僕らは研究開発で生々しく未来をつくり、周りに『すごい』と評価される。その結果、『千葉工業大学、すごいことやっているな』と周りに思わせる。それが僕の基本戦略です」。
古田氏はその基本戦略のために、3つの柱を打ち立てている。
1点目が、「対外的に発信すること」。2点目が、「どこにも負けないロボットの技術開発」。そして3点目を、古田氏は「"なんちゃって"ではない産学連携」と表す。
「僕のやっていることは、音楽のアーティストと同じ。アーティストは、ひとつの文化をつくり、若者に浸透させます。アーティストも3つの戦略をやっているんですよね。
まずは、1点目。アーティストはイベントやコンサートを開催します。つまり、人々に広く知ってもらい、リアルの場で自身(=ブランド)を実感してもらう場をつくります。2点目は、純粋にブランドの根幹となる技術開発(=アーティストとしての作品づくり)です。3点目は、消費者の手元に作品が届くように商業化します。ファンがいつでも楽しめ、生活の一部になるようにする。これはアーティストの一例ですが、僕の戦略も同じことなのです」。
良い未来をつくり、不自由ない日本をつくりたい、と話す古田氏。ブランディングにとって本当に必要なのは、生々しく世の中を変えることだという古田氏。まず未来をつくるには、世に出さなければならない。そして知ってもらうには、対外的なイベントを実施し、興味のない人に興味を持ってもらうことが大切だ …