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フランス消費トレンド

アラブ圏初のマクドナルド──「 スマイル0円」が逆効果になる世界

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

カサブランカのマクドナルド 集客から宅配サービスに転換

ブランドが国を越えて広がっていく様子は時として興味深いものがあります。例えば、グローバルブランドの代表格とも言えるマクドナルド。かつてアメリカの社会学者ジョージ・リッツァは、マクドナルドに象徴される徹底した合理化が現代社会のあらゆる場所に浸透していることを「マクドナルド化」と言い、文化の画一化に警鐘を鳴らしました。しかし同社の強みが「現地化」の取り組みにあることは、世界中の店舗やご当地商品を見れば説明するまでもないでしょう。

規格化されたブランドをどう現地に適合させるのか。各国のマクドナルドに行くと、その工夫を感じることができるので海外出張時は極力立ち寄るようにしています。先日モロッコのカサブランカに出張した際にも立ち寄りましたので、今回はその様子をご紹介します。

マクドナルドがモロッコに進出したのは遡ること四半世紀以上も前の1992年。アラブ圏及びアフリカ大陸で初の出店でした。立ち寄ったお店は、北大西洋に面したオーシャンビューの大型テラス席や子供向け本格遊戯施設(日本の郊外店でも見られるプレイランド)を備え、平日の昼間にもかかわらず富裕層の家族連れで賑わっていました。

メニューに「アルジェリアンソースのマックラップ」など北アフリカで響きそうなネーミングのご当地商品が並び、店内外ではハラル認証の取得マークと宅配サービス(マックデリバリー)が大々的に訴求されていました。

モロッコでは食事を家族で取ることを重んじる価値観が根強く残るため、都市型のファストフード業態は馴染まず、マクドナルドは長年「家族で過ごせる目的地」を目指した店づくりとマーケティングに尽力し、富裕層の獲得に成功しました …

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