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フランス消費トレンド

ナイジェリアに「チェキ」上陸 ローカルインサイトに基づく広告が始動

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

アフリカ大陸の人々が知らない「インスタント写真」

最後の成長市場と言われる、アフリカ。富士フイルムではその大半地域の事業展開(写真事業)をフランス経由で取り組んでおり、目下の課題は「チェキ」(instax=インスタント写真)ビジネスの立ち上げです。

アフリカで「チェキ」に本格着手したのは2017年のこと。現在、北・西アフリカの販売網とコミュニケーションの整備を進めています。アフリカ市場の特殊性は「消費者がインスタント写真を体験したことがない上、その存在も知らない」という点にあります。良くも悪くも市場にインスタント写真の痕跡がないことに加え、「写真」そのものの系譜も異なるため(デジカメを通り越してスマホとSNSが普及)、ゼロベースでコミュニケーションを設計しなければなりません。

今回は特に重点市場と位置づけている「ナイジェリア」(大陸最大の人口と経済規模を誇る)で、初めての年末商戦に展開した「広告クリエイティブ」をご紹介します。

都市化による家族の分断 溝を「チェキ」で埋める仕掛け

市場にインスタント写真の痕跡がないため、インスタント写真文化の「基点」となるようなシナリオを描くことをクリエイティブの上位テーマにしました。ターゲットについては、同国に250以上の民族が暮らし、それぞれが異なる価値観や文化を持つため、大まかに設定。アフリカ開発銀行によれば国民の8割が1日2ドル以下で生活するのに対し、「チェキ」の店頭価格は日本円にして1万円は下らないので、導入段階のターゲットは中間層以上とし、対象地域を販売網の整備が進むラゴスに絞りました。

まっさらな市場は好ましいブランドを形成するチャンスと言えますが、製品理解を醸成し、購入まで導くには現地のインサイトに基づいた強い動機付けが必要です。そこで、ローカルエージェンシーとクリエイティブのアプローチについて膝詰めで議論を重ねました。仕上がったコンセプトフレーズは「Leave you behind=あなたを(チェキで)置いていこう」です …

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