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広告の舞台裏

事業領域の拡大とともに進化する、RIZAPのCM活用戦略

RIZAP

RIZAP(ライザップ)は、ビフォーアフターを比較する強烈なCMで幅広く認知され、今やゴルフや英会話にまで事業領域を拡大しています。イー・スピリット代表の足立茂樹氏がブランド統括部長の渡邉華子氏にライザップのCM戦略について話を聞きました。

梅沢富美男さん ビフォーアフター「銭湯」篇

佐藤仁美さん ビフォーアフター「ロデオ」篇

キャストの個性に合わせてCMの訴求内容を設計する

足立:ライザップと言えば、耳に残る印象的なサウンドとビフォーアフターの実証映像のCMがすぐに思い浮かびます。今や知らない人がいないくらい、有名になりましたね。

渡邉:2012年のオープンから約6年間で会員数は11万人を超えました。

足立:あのCMはどのようにして生まれたのでしょうか。

渡邉:もともと当社は、健康コーポレーションという健康美容関連商品を販売する通販会社でした。健康美容商品で高い顧客満足度を得るには、商品を使ったお客さまが理想の自分を手に入れることが不可欠です。ですからライザップの最初の広告のキャッチコピーは「たった2カ月でマイナス15キロ」という非常に直接的な表現でした。

しかし、世の中の人々に愛され、求められるブランドになるにはもう少し洗練された、レスポンスとブランディングの両方を叶えるコピーを考える必要がありました。それが、「ライザップはあなたが望む結果を提供します」というメッセージを端的に伝える「結果にコミットする。」というコピーでした。

足立:そしてあのCMができた。最初の出演者は一般の方でしたよね。

渡邉:ええ、モニターのオーディションを行いました。合格者はビフォーの写真を撮り、2カ月間のトレーニングを経た後でアフターを撮影しました。本音を言うと、最初は心配でした。通販時代の広告には商品やサービスの価値の情報をできるだけ多くお伝えできるよう努めていたのですが、ライザップは真逆で、実証映像と「結果にコミットする。」というメッセージだけでしたから。

ですが、アフターの姿を見てすごく驚きました。モニターの方々が、見た目だけでなく、しぐさや表情まで別人のように変わっていたからです。ライザップで肉体改造をすると自信がつくということを目の当たりにできて嬉しかった。けれども、その一方で別人を使っていると疑われるかもしれないとも思いました。ですからプレスリリースにはあえて「別人のようなCMですがCGは使っていません」と明記しました …

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