2018年で創刊25周年を迎えた『ゼクシィ』。生き方が多様化した現代における、結婚の本質とはどのようなものでしょうか。『ゼクシィ』首都圏版の編集長を務める平山彩子氏に、イー・スピリット代表の足立茂樹氏が話を聞きました。

「風船」篇

「一万回のキス」ただ、愛してる篇
強いコピーとクリエイティブが ターゲット層以外でも話題に
足立:平山さんは『ゼクシィ』の編集長としてご活躍されていますね。
平山:私は2016年から『ゼクシィ』首都圏版の編集長を務めています。編集長だけでなく、取材対応やプロモーション、PRを担当しているほか、ブランドマネジメントも兼務しています。
足立:2017年頃からでしょうか、CMのイメージが変わったような印象を受けています。
平山:CMで何を伝えるかを考えた際、「結婚、結婚式を扱っているブランドとして、ターゲット以外の世の中全体が結婚や結婚式に対して抱いているイメージや思いに立ち戻るべきではないか」という思いを2016年頃から強く抱くようになったからでしょうか。
もともと『ゼクシィ』ではCMをつくるとき、「いま世の中が結婚や結婚式についてどう感じているか」を常に重視して表現を考えています。しかし、それでもまだ世の中全体のイメージをつかみきれていないのではないか。生き方の多様化が進んだことで、社会の変化の中では結婚観が、これまで以上に変化しているのではないか。そんな風に考えたことがきっかけとしてあります。
「私たちがいま考えている結婚観や幸せのあり方は合っているのだろうか、違う観点を入れて立ち返ってみたほうが良いのではないか」と思い、結婚に対し、自分で意思を持って選ぶのが今の時代だろうと捉え、その意思を描こうとしたのです。
足立:意思を描くにあたり、どのようなメッセージを心がけたのですか。
平山:昔と比べると、夫婦のあり方が多様化していると感じています。「この二人がどうして一緒にいるんだろう」という点にフォーカスすると、それは二人が一緒にいたいからいるんですよね。「二人がありたい姿」をずっと『ゼクシィ』は応援していきたいと考えて、背中を押すようなメッセージを意識しました。
足立:なるほど。結婚の本質を突き詰めたCMですね。
平山:そうですね。私たちが原点に戻ったわけではなく、結婚自体がいま、改めて本質的なものとして受け止められているのだと思います。『ゼクシィ』のCMでは一緒にいる二人の間には「愛」があり、その愛を応援していくというストーリーを昔から変わらず描いています。
一方で、いろいろな方の話を聞いていくと、いまは結婚と結婚式の距離が離れてきているのではないかと気になっています。例えば2011年の東日本大震災以降、結婚式までに入籍や同居を済ませる人の割合が10ポイント程度も上がり、70%から80%ほどになっているんです …