2018年TCCグランプリを受賞したUHA味覚糖の「さけるグミ」。予想もつかない展開の企画は、どのようにして生まれたのでしょうか。UHA味覚糖 マーケティングディビジョン・マーケティングセクション セクションリーダーの下村守道氏に、イー・スピリット代表の足立茂樹氏が舞台裏を聞きました。
クリエイターを信じて委ねる こだわりの後押しが結果につながった
足立:まずはWeb動画「さけるグミ」TCCグランプリの受賞おめでとうございます。
下村:それはもう博報堂の井村光明さんの実力と当社の社長にそれを認める度量があったことが勝因ですね。我々は、それをうまく後押しできたかなという感じです。
足立:受賞してから周りの反応はいかがでしたか。
下村:広告会社の方からは反響を聞くのですが、社内とは温度差があるかもしれません。社内に対してもSNSなどで伝えてはいるのですが、正直あまり伝わっていないように感じています。ただ、昨年もACCゴールドをいただいて受賞が連続しているので、それを営業のネタにさせてもらっている状況ではありますね。
足立:まるで昼ドラのような展開のシリーズ仕立てのWeb動画「さけるグミ」の企画はどのように生まれたのでしょうか。
下村:「ターゲット世代である若者層にどうすればWebで刺さるような企画ができるか。企画の発端はそこにありました。あとは、井村さんの中にあるイメージを紐解いていき、できていった感じです。
足立:ドラマ仕立てのWeb動画を公開した後、そこからテレビCMまで派生展開されました。Webでいろいろなタイプの動画をつくって楽しんでもらい、その中で反応や流れが良いものを短縮してテレビで放映する、といった戦略は企画の当初から考えていたことだったのですか。
下村:それは、まったく考えていなかったです。そもそも、ここまでの反響があるとは想定していなくて。動画を公開してみて、やはり井村さんの言う通りだったと思ったという感じですね。
足立:やはり井村さんには独特の嗅覚があるのですね。
下村:社長も「彼に任せよう」と。こちらであれこれと、こねくり回すよりも井村さんの感性にお任せすべきだという判断でした。今回のCMは2017年に公開した最初のシリーズがあり、その反響があっての完結編でした。合計で全12話プラス長尺の企画になりました。
足立:今回の動画に至るまでも、2014年の発売以来、「さけるグミ」は話題になるテレビCMを展開していますね。これまでの活動で井村さんとの信頼関係も構築されていたのでしょうか …