食べたいものを食べて健康になるアプリを開発
世の中にあふれる健康食品やサプリメント。はたしてどれだけの人がその栄養素が自分にとって必要なのかを分かって摂取しているのだろうか。そのような疑問を持ち、スーパーマーケットなどでの買い物データを自動的に栄養素に変換、自分に足りていない栄養素を可視化するアプリを開発したのが、「食べたいものを食べて健康になる」というビジョンを掲げるアドウェルだ。
同社は食の購買データから栄養素を可視化する「SIRU+シルタス)」の開発の他、「SIRU+」の栄養変換エンジンと連携させ、飲食店での飲食データから栄養素を可視化する「NUTS.(ナッツ)」の開発にも携わっている。食事を記録する手間を省き、栄養の過不足が分かる上に、栄養状況に合った食材をレコメンドするという仕組みだ。ユーザーは両方のアプリを使うことで家庭でも外食でも自然に自分の食生活のデータを入手することができる。
現在はまだ一般にはリリースしておらず、β版として限られたユーザーのみに実証実験的に提供されている。本格的なサービス開始は2019年4月を予定しているが、すでに2018年「買い物レシートデータ」を活用したアプリケーションコンテスト(経済産業省主催)で最優秀賞を受賞するなど数々のビジネスアイデアコンテストで受賞経験を持つ。
同社・代表取締役の小原一樹氏は「データの活用と、ヘルスケアの需要という2つの世の中の流れが受賞を後押ししてくれた。また『シルタス』はサービスを説明する対象者によって①データ活用の視点②決済、購買データからのフィンテックの視点③ヘルスケアの視点、というように見え方が異なる」と説明。活用の幅の広さも受賞の背景にあると見ている。
創業は2016年11月。「栄養素は世の中で多く使われている言葉でありながら、消費者として自分に必要な栄養素が何かを分からないまま、漠然と不安感だけ抱いている。見えないからこそ発生してしまうミスマッチを減らすために事業をスタートした」と小原氏は経緯を説明する。
アイデアを具体化するにあたり、最初に相談したのはスーパーマーケット。そこで購買データの提供を受け、1年半ほど開発に従事した …