アプリデベロッパーの経験を生かし デベロッパーを包括的に支援
日々多くのアプリが誕生する環境でアプリを開発したものの、いかにしてユーザーに認知してもらえばよいか、という課題を抱える事業者は多い。そうした課題に対し、自らの経験を生かして、広告主・マーケターとアプリデベロッパー双方を支援するサービスを提供するのが、アメリカ発のAppLovinだ。
同社は2012年アメリカ・カリフォルニア州で設立され、当初はアプリを開発する会社としてスタートした。AppLovinのCEO兼創業者であるアダム・フォローギ氏自身もアプリ開発に関わった中で、どうすればアプリをユーザーに認知してもらえるのか、その方法に難しさを感じていたという。元々創業メンバー自身が過去にアドテクノロジーの会社を創業した経験があり、業界の知識も豊富だったことから、アプリのマーケティングを支援する現在のサービスへと転換していった。
「当初はソーシャルでアプリを見つけてもらうサービスを提供していたが、アプリ内広告の方が、需要が高いことが分かったので広告プラットフォームに転換した」とフォローギ氏は当時を振り返る。
同社のプラットフォームはROASベースの最適化配信技術によって広告配信ができ、広告主は広告経由の売上を測定できるほか、メインフォーマットは動画という特長を持つ。
「例えば、グローバルのEコマース企業とも取引をしているが、ゲームに限らずEコマースのアプリでも魅力を伝えるのに動画フォーマットは適している。実際、日本ではメルカリ、米国ではAmazonが動画広告を使って、ユーザーに対して自分たちのアプリを告知、認知してもらうための活動を行っている」とフォローギ氏は説明する。
現在はアメリカでも、日本でもゲームアプリのプロモーションに活用されるケースが多いが、前述のAmazonやメルカリのように、Eコマース企業を中心に大手企業が自社で開発したアプリのインストールを促進する目的で、同社のソリューションを活用するケースも増えているという。
日本企業のアプリの世界進出を支援
また、AppLovinのもうひとつのビジネスの柱であるデベロッパーへの支援に関しては、フォローギ氏自ら「仕事のモチベーションはデベロッパー支援」と語るほど思い入れの強い事業。
日本法人の代表取締役の林宣多氏は「日本においても良いコンテンツや企画を持っているのに、グローバルでどう展開したらよいか分からない、市場の規模感が分からず二の足を踏んでいるというデベロッパーは多い。当社ではマネタイズはもちろんゲームのコンサルティングや資金提供も含めて、日本企業が開発したアプリ、特にゲームアプリが世界に出ていくための包括的なサポートをしている。またアプリという事業領域上、ゲームに強い面があるが、広告の配信先は非ゲームアプリも含め、質の高いユーザーを、スケール感を持って効率的に獲得できるようなソリューションを提供している」と述べた。
世界で拡大するカジュアルゲームに広告メディアとしての可能性
アジアでは日本、中国、韓国にオフィスがあるAppLovinだが、日本での本格的な事業展開は2015年から(法人設立は2016年)。フォローギ氏は日本市場の魅力について「日本におけるモバイルのマーケットは成熟していて歴史も長く、非常に大きなビジネスができる市場。当社にとって、アメリカの次に大きなマーケットだと考えている」と語る …