次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのか。今回は、ミズノ コンペティションスポーツ事業部で活躍する鳥居正敏さんに話を聞いた。
日本勢のメダルラッシュで注目 今、バドミントンが熱い!
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、スポーツ市場が活性化している。中でも注目を集めているスポーツのひとつが、バドミントンだ。近年はオリンピックでメダルを獲得する日本人選手が多数出ていることもあって、競技人口が右肩上がりで増加している。全国高等学校体育連盟の調査では、バドミントン部に所属している男子高校生の人数が前年比で約1000人も増えているほどだ。
このバドミントン用品のマーケティングをミズノで担当しているのが鳥居正敏さん。バドミントンに加えてテニス用品、スポーツウェアの事業計画からプロモーション、販売戦略立案などを中心に担っている。
そんな鳥居さんが大きな成果を挙げた企画が、同社のバドミントン用ラケット「ALTIUS(アルティウス)」の新発売プロモーションだ。同商品はメダリストで、バドミントン女子日本代表の奥原希望選手と共同で開発。コントロールや振り抜きやすさなどにこだわり、世界の中でも技巧派であることが多い日本人に適したモデルとして、実際に奥原選手にも提供している。
しかしバドミントン市場は、競合企業が強く、現在は市場の8割を占められているため、ミズノにとって新商品を普及させていくハードルは高い。そこで鳥居さんが強化して取り組んだのが、販売店やユーザー向けの試打会だった。
「バドミントンは専門メディアが1誌しかなく、メインターゲットである中高生の情報入手経路は店舗とSNSからの口コミになります。そこで実際に商品の性能の高さを体感してもらって、その"生の声"が拡散していくことを狙いました」(鳥居氏) ...