次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する本連載。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのか。今回は、日本コカ・コーラ マーケティング本部で活躍する田代雅典さんに話を聞いた。
社内外から期待 コカ・コーラ初のトクホ
日本コカ・コーラは3月27日、特定保健用食品(トクホ)の「コカ・コーラ プラス」を発売した。「コカ・コーラ」という同社の看板ブランドでは、初となるトクホ商品だ。このブランドマネージャーを務めるのが田代雅典さん。2015年に外資系日用品メーカーから転職して以来、「コカ・コーラ」の新フレーバーなど新商品を中心に担当してきた。
今回の「コカ・コーラ プラス」が属するトクホ炭酸飲料市場は、2012年に立ち上がり、2013年に拡大したものの、それ以降は縮小傾向が続いていた。もともとは高単価の商品だったにも関わらず、現在では通常のラインアップと大差ないほどに販売価格も落ちていた。そうした中で、炭酸飲料の代表的なブランドである「コカ・コーラ」からトクホ商品が発売されることは、流通からの注目度も高かったという。
「発売直前に開催されたドラッグストアショーで、出展された新商品277アイテムのなかで、最も優秀とされる会長賞に『コカ・コーラ プラス』が選ばれました。社外だけでなく社内から見ても、この商品は腰をすえて長期的に売っていく期待のブランドです。私にとってはタフ過ぎるぐらいのチャレンジでしたが、なんとしても成功させなければと感じていました」。
消費者調査をすると、現在のトクホ炭酸飲料市場の課題が見えてきた。消費者が機能だけではなくおいしさも求めていたり、飲んでいる姿を周囲の人から見られて健康に気を使っていると思われたくない傾向が見えた。そこで「コカ・コーラ プラス」の核となるメッセージは、「こう見えて、トクホです。」にした。
「機能性がありながらも、コカ・コーラらしいおいしさやブランドの持つ気分が高揚するような楽しさを伝えることが狙いです。テレビCMでも、親しい仲間と好きな料理を楽しめる世界観を表現しました ...