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米国広告マーケティング事情

時代とともに変化する「父の日」キャンペーン

松本泰輔

「母の日」に比べて影の薄い「父の日」だが、実際には多くのアメリカ企業が5月下旬から「父の日」キャンペーンを行う。National Retail Federation(全米小売業協会)のアンケート調査によると、2017年の「父の日」における各世帯の平均支出は前年対比7%増の134.75ドル(1万4876円)、全米総支出は同調査開始以来15年間で最高の155億ドル(1兆7112億円)と予測されている(「母の日」総支出はその1.5倍の236億ドル【2兆6054億円】)。

また「77%のアメリカ人が『父の日』を祝う」というデータもあり、小売業界は年度後半のスタートという意味で重要なイベントと位置づけている。

ジレット、"スマホ依存症の若者"に「父に聞け」キャンペーン

(1)ジレット「Go Ask Dad(父親に聞け)キャンペーン」

ジレット「Go Ask Dad(父親に聞け)キャンペーン」。スマホ依存症の若者を部屋に集め「人工知能アプリに何でも質問してください」と促す。「ネクタイの結び方は?」「女の子の誘い方は?」などと質問すると機械的な声でアプリが返答してくれる。感心する少年たちのもとに父親が現れ、答えていたのは実は自分の父親だったことがわかる。「テクノロジーに頼らず、今年の父の日はお父さんに尋ねてみよう」というジレットのメッセージだ。

ジレットの調査では「調べ物をするとき84%の男性がスマートフォンで答えを探す」という結果が出た。その一方で「わからないことがあるとき父親に聞く」はたった13%だったという。その調査結果を参考に開発されたのがジレットの「Go Ask Dad(父に聞け)」キャンペーン(1)だ。

5月23日にアップされたYouTubeビデオでは、まず何人かの父親に「(スマホの)テクノロジーが親子関係の妨げになっているか」と尋ねる。すると彼らは「間違いなく親子関係の壁となっている」「直接会って会話する時間が減ってきている」と不満を口にする。次に、別室にいる息子たちに「ジレットが開発したアプリに質問すれば何でも答えてくれるので試してみてください」と促す。

少年たちが「ネクタイの結び方は?」「ヒゲの剃り方は?」などとスマホに尋ねると、人工知能(AI)ロボットのような機械的な声で親切丁寧に答えてくれる。他にも「女の子をデートに誘う方法は?」の質問には「自分らしく恥ずかしがらず堂々と誘えばいい」と返答し「どうやってまわりに自信を示せばいいのか?」には「君は賢くて優しい子だ。何でも自信を持ってやればいい」と諭すように答えてくれる。

AIアプリの的確なアドバイスに感心する少年たちに、最後にタネ明かしの時間となる。父親たちが部屋に入ってきて「特殊なマイクを通してロボットの声で質問に答えていたのは自分たちだった」と告げる。驚く息子に父親が「私はいつもそばにいる。わからないことがあったら(スマホではなく私に)何でも聞いてほしい」と涙ぐみながら話しかける ...

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